1年の終わりはしっかりと

年末が終わって12月31日の夜に眠りにつけば、次には初夢を見ることになります。昔から初夢で見ると縁起がよいとされるものは、一つ目には霊峰の富士山があります。富士山は標高が3776メートルの成層火山です。1707年に最後の噴火をしてからは、長い眠りについています。正月には富士山を眺めて縁起を担ぐことも行われ、富士山の絵が描かれた掛け軸を飾ることもあります。富士山の山頂へ登って初日の出の御来光を眺める人も多く、正月の風物詩の光景としても有名です。

2番目に縁起がよいとされているのは、鷹を見ることです。鷹も縁起がよい鳥の象徴的な存在です。1年の終わりに眠りについて、鷹を見ることができれば富士山の次に縁起が良いというわけす。縁起が良いものは見ようと思ってもなかなか見られないものです。縁起が悪いものでなければ、気にすることもないのですが、気にする人は意外と多いのです。

初夢で見ると富士山や鷹に次いで縁起がよいとされているのが、野菜の茄子です。茄子がどうして縁起がよいのかと不思議に思う人もいるかもしれませんが、整った美しい形は昔の人にとっては魅惑的だったのです。高貴な茶道具のデザインとしても取り入れられることがあった茄子は、庶民にとっても大切なものでした。美しい紫色も特徴で、尊い存在であると信じられたのです。

縁起が良い初夢を見ることができれば、正月の気分も晴れやかになります。富士山を見ることができた人は、日本中でみれば非常に少ないのは確かですが、存在するのも事実です。1年の行いがしっかりとしていて、悪いことをしていなければ富士山を寝ながら見ることができると信じられています。逆に悪いことしていれば、寝ているときには地獄の光景が浮かぶようになり、正月の気分が重たくなります。年末には大掃除をして1年の穢れを取り去っておくことも大切です。大晦日に寝る前に風呂に入って、1年分の汚れを落とすことも効果的です。

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